劇団ひとりはロマンチストだな


今年初の映画を観に行く。
とうとう小説を読む前に映画になってしもた劇団ひとり原作「陰日向に咲く
スウィーニー・トッド」と迷ったんだけど、「岡田も出てるし」というそんなイタイ理由でこっちに


とにかく、役者陣がすばらしかった。もう後半ボロ泣き。ティッシュなしではいられなかった。
原作は何作品かの短編らしいんだけど、映画も岡田准一を軸に話が進む。
そんで、最後のほうで「なるほどこういうカラクリになってるわけね」となる。


内容は、ざっくりいえば「人が抱えているモノの開放、整理」で
最初観てて、そんなに主人公シンヤのギャンブル好きなダメ人間の徹底振りが感じられなくて
どちらかというとそういう部分も半端、というか。悪く言えばキャラがはっきりしてないなとか思ったけど
シンヤの半端さがモーゼと会ったあたりから、活きてくる。
そしてCMにも出てた「ちょっとくらいいいだろ!ずっと1人だったんだから!!」
の言葉の説得力というか、重さが心に響いた。
最後の方になって、「ああ、シンヤは半端でいんだ」と感じた。


なんかね、登場人物皆がダメさに落ちきれないのよ。
なんか心に大事なもんひっかかってるから、やっぱ寸止めでもがく。
そんな姿が愛しくて、ほっとけないから想いを募らせるのだけど、皆が皆不器用だからすれ違う。
王道といえば王道なんだけど、なんせ役者の演技がすっごいせつなくって巧み。
もう西田敏行なんてずるい。あんなん泣けと言ってるようなもんじゃないか。
後、三浦友和も地味ながらよかったな。大げさに言えばこの二人に助けられる感もある。


病気=桃缶。これは今の世代の子はどうなんだろうなぁ
私の世代はこれなんだよね。どうして病気の時ってあの黄桃が格別においしんだろう。
そしてすごく家族、というか母親を感じさせるよね。
だから桃缶の蓋が開いてる、開いてないって時の岡田の表情がすごくわかる。
桃缶は母の味だよね。


それにしても岡田はスクリーンのアップでみてもキレイやね〜
そんでもって宮崎あおいのほっそいこと!!
もう折れてしまいそうなくらいの華奢な体に昭和の服装が映えてた。
そして平山あやがかわいいよぉ〜!!売れないアイドルみゃーこ。もったいないくらいのかわいさだった。


あー、そういばアイドルとオタクの話だけ浮いてたな。
この話はあまり他のエピソードと繋がってないんだね、「ふりむキッス」という歌のタイトルは秀逸だけど。


なんだかんだで、今年初映画は当たりだと思います。


観た後「劇団ひとりロマンチストだなぁ〜」とか思ったんだけど
この映画は原作と大幅に違うらしい。
そうか、んじゃやっぱ原作も読まなくては。
はよ文庫本にならんかい。(あくまで文庫にこだわる/汗)


次こそは「スウィーニー・トッド」観るかな。