男は目先しか見てなくて、女はずっと先を見ている。


きっと今回逃したら、もう上映終ってたな。セーフ。


スウィーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師」


ジョニ―・デップ扮するスウィーニー・トッド
過去に妻と娘を奪い、自分を無実の罪で投獄した判事に復讐をしていく。



これ、ホントに最後の最後までミュージカル一色なのね。


映画を最後まで観て、ふと頭に浮かんできた


「ごっつええかんじ」のアホアホマンが、崖かビルにいる人質をとった悪党を高いとこから突き落とし
勢いついでに人質も突き落とし、最後に笑いながら自分も落ちていく


そんなコントがあったなと思った。


この映画はそんな感じ。


自分の幸せを奪った相手に復讐する勢いで、当たり構わず剃刀を振り回すトッド。


そうかそうか。この映画はあれだ、壮大なコントだ。
全編通してシュールなブラックギャグだ。


トッドは言う「俺はバーカーじゃない!」
これは「俺はバカじゃない!」といいたいのか?

ミセス・ラベットは言う「彼の罪は“愚かさ”」
これは残酷な結末を予想してのことか?


そして最後にトッドは叫ぶ「ベンジャミン・バーカーだっ!!」
やはりバカだったか。う〜ん、見事なオチだな。


なんにしても、殺した死体をミートパイに使うといったミセス・ラベットに「センスいい!」と言い放ち
二人で窓から人を眺め、人肉の味をサーチするあたりかなり悪趣味で笑えるし
判事が、母親に似て美しく育ったトッドの娘に求婚を迫り、断られた怒りにまかせて
精神病院に入れてしまうのも、あーイカレてるなーとか思ったり
最愛の妻の為に殺人を繰り返したのに、最後にはその妻も見栄えなく殺してしまったりして
なんかもう、すばらしい。道化の極みだよな。


つーかさ、悪魔の理髪師トッドよりも、ミートパイ店のミセス・ラベットの方が恐ろしいよ。汗


トッドは復讐のみを目指してたけど、ミセス・ラベットは店の繁栄とトッドとの幸せな暮らしの両方を夢見て
あげく、トッドが愛した妻が生きてたことを、平然と隠してたもんな。
すごい、やっぱ女の方が一枚上手だよ。男はいつだって踊らされ上手。


なんにしても面白かったです。惨劇のすべてを見た少年トビーに幸あれ。笑


さて、漫画を堪能すっかな。