少女よ、強欲ジジイの餌食となれ。


Dr.パルナサスの鏡


なるほど、このトニー役のヒース・レジャーが亡くなったから
急遽違う俳優さんを要所要所に起用したということだったのね。


だからなのか、それとも元から意図的になのか、この映画は結構観てる側にやさしくない。
鏡の力や悪魔と博士の因縁や劇団員のアントンの立ち位置、いきなり現れた「吊られる男」のトニー
人を獲得する意味等が現実と幻想が入り乱れる中、はっきりした内容がきちんと語られてない。


でも、決して意味不明なほど突き放していじわるなわけでもない。
私は、「観る側に託した」ということで楽しめると感じた。


ようは単純に言っちゃえば
欲だらけの不死身のじじいが、人は生きてる限り欲から逃げ切れないとわかっているからこそ
欲に溺れちゃいけないよと欲の強い人間を諭そうとするんだけど、欲を喰いもんにする悪魔に邪魔されるという話。


このパルナサス博士、人の欲望を浄化させようという割に、
我が娘を己の欲の為に悪魔との賭けの道具にするという、なんとも自分勝手なダメ親父なのが笑える。
二人の賭けに巻き込まれながらも、普通の暮らしを夢見るヴァレンティナ、純愛を貫くアントン、
突然現れたトニーの正体を鏡を通して映し出し、欲に踊らされる人々をあざ笑うかのように突如現れる悪魔の
紳士な振る舞いがまた人を小ばかにしていて、それでいながらちゃんとチャーミング。
ヴァレンティナをダンスに誘うシーンは色気があって素敵なじじいだったなぁ。
それにこの悪魔、意外にそんなに仕掛けてない。なのに勝手に周りが振り回されてる。
そこがまた人の愚かさを反映していて、苦笑いしかでてこない。


キーポイントは意外に劇団員のアントンだったのかも?彼だけ人の欲望渦巻く鏡に自由に出入りできていた。
欲望に侵食され引きずられてしまうから、娘のヴァレンティナさえも鏡に入ったら博士に怒られてたのに。
彼は真っ直ぐにヴァレンティナだけを愛していた。だから彼だけ鏡の中で「選択」されなかった。


後、突然現れたトニー、彼に関してはタロットの「吊るされた男」の意味がわかればなるほど納得という感じでしょう。
「吊るされた男」は戦う為に人に知恵を授け、自ら吊るされに行ったんだって。
そのトニー役のヒース・レジャーは、髪を上げ、白いスーツがとても似合っていた。
鏡の中のトニーのジョニーデップが出てきたとき、一瞬変わったのわかんなかったよ 汗


つーこって、観た後見解を楽しむのが好きな人には充分楽しめる映画だと思う。


それにしても、娘のヴァレンティナのおっぱいがはちきれそうでしたね。




明日、もう中学生観に行きます。