これからはキンコメじゃなくキングと呼びたいと思います。


※ 実際、キングオブコメディが名前略す時こう↑呼んで欲しいらしい。


キングオブコント


今年も始めから終わりまで隅々と楽しめた大会だった。
と、いいつつも。以下、結構辛めな部分が目立つ私的感想。



エレキコミック
二本通してネタ観た感想は、「この人達、『明るいよ』の時とあんま変わってないよなぁ」であった。
一本目のコント「お年玉」はこないだ「お笑いさぁ〜ん」でも観たんだけど、正直その時もそんな填まらなかったんだよね。
エレキは自分たちのネタのことばかり考えて他のコンビがどんなネタやるのかって事は考えなかったのかな?
だってクソ生意気なガキのネタはキンコメの真骨頂でしょ?これは比べられちゃうよね。
でもエレキはお笑いファンに評判いいよね?じゃあもっといいネタあったんだろうなぁ〜。勿体無い。



「ロッチ」
うーん、2本ともネタが荒い印象 汗 特にネタ後半。
ロッチのいいゆるさがでてなかったなー。ただただ平坦なボケのままで流れて終わっちゃった感じ。
いやでも、催眠術の中岡師匠の小者感とか寝るのを我慢する顔芸とか
二本目のコカド店長が嬉しさを隠し切れないあからさまなテンションとかキャラは立ってんだよね。
ロッチはさ、なによりコカドの直線的な棒セリフと中岡のゆるやかな歪曲を描くセリフの掛け合いがいいよね。
もうちょっとバカバカしさを堪能したかった。
しかし、コカド「エレキコミック状態」って 笑



「しずる」
しずるはホント演技に惹きつけられるよね。
村上は気恥ずさをなんなく前面に出せるし、池田は顔の表情と不気味さに迫力がある。
特に一本目の「シナリオ」は池田の怪演が圧巻で好きだったなー。
あんなにシナリオ通りにいってんのに、死ぬのかよ 笑
最後の村上の「やった!」のあっさりした終わり方も好き。
ただ、二本目の「パンティ」は酷かった 汗 
去年ロッチがやった「巨乳」連呼のネタは、なぜ巨乳にこだわるのかというのがきちんと理解できたけど
これは、なぜ「パンティ」というセリフにこだわらないといけないのかという熱意が全く伝わらなかった。
でもやっぱ池田はよかったなー。今回、池田には男優賞をあげたいわ。



ラバーガール
ちゃんとしたコントは初見だ。ツッコミが飄々としてていいね。
一本目と二本目のネタが似たような展開でボケとツッコミのタイミングに独特のテンポがあるから
同じようなネタは飽きちゃうよね。二本目のネタは観た後印象残らないもん。
一本目の「ネコカフェ」は最後の最後まで客をナメてていいねー。(猫だけに 汗)
まさかのラジコン登場はホント面白かった。ちょっと行きたくなるわあのネコカフェ 笑
ボケの大水が化け猫っぽいのもネタにあっててよかったね。



ジャルジャル
ホント、こういうネタ好きだよねジャルジャルは。 笑
でもちょっとゴリ押し気味だったような気がしないでもない。
一本目のネタは「生理現象」という名の擬音が飛び交う異空間の中になんとか入り込んで行けたものの
二本目の「おばはん」はすっかり取り残されちゃいました 汗
と、いうかね。二本目のネタは初の決勝進出でやるか、数年決勝に出続けてやるかのどっちかだったんじゃない?
初登場であれやったらかなり印象に残ってたと思うし
数年決勝に残ってしっかりジャルジャルの名を植え付けた上であれやったら大層しょうもなかったと思う。
いやぁ、ジェネレーションギャップなのかなぁ? 汗



「TKO」
私、あんまりTKOのコントが得意じゃないんだけど、今回はベタでドストレートなわかり易いネタだった。
特に一本目の「葬式」は「お笑いさぁ〜ん」(つーか、皆この番組でお試してたんかい 汗)の時よりも
もっと展開を単純にしていてネタ運びを丁寧にしていたな。
二本目はいつもの感じだったけど、ああいうネタをやりたがるのは意地なのだろうなぁ。
でも、これぞ木下でこれぞTKOというネタだよね。
本気で優勝とりに来たんだなって意気込みを一番感じたコンビだったかも。



「ピース」
あ、ここもコント初見だった。TV用なのかな?こんなおとぎめいたネタやるコンビだったんだ 笑
2本とも「ドリフ」や「ごっつ」に出てくるようなお茶の間に向けて幅広く入り込めるネタで、グッと親近感沸くよね。
見た目の出オチで客引きして、日常のやりとりで困惑させ、まさかの展開で客を裏切る。
一本目の「山姥の職探し」は前半ダレたけど山姥の「あの夜」の告白から「山姥抱いたのかよ!!」って思わず吹いた。
二本目も「ハンサム男爵」がなぜ「ハンサム」なのかという所以が徐々に理解できる展開それこそが「やさしい」 笑
ネタ選びの正しい見本のようなコントだった。
だけど、これは超個人的な意見なのだが、私綾部のツッコミの強さが苦手かもしれない。 汗
普段のトークは大丈夫なのになぁ。まぁどうでもいいけど。
どうでもいいついでにも1個、又吉はなにをやっても又吉だなと思った。 汗



キングオブコメディ
もう、ここは贔屓目なしでもダントツでぶっちぎり優勝だったと思う。
一本目のネタの始めのツカミと展開の物語性、二本目のキャラの破壊力と終わりに向けての沈黙の妙。
哀愁と狂気と毒を、今野のキャラの強さでフィルターを掛け
深読みできる構成力と気楽に笑える簡潔な表現を紙一重で魅せているから
お笑い好きはもちろん、そうでもない人が観ても気楽に笑える仕上がりになっている。
いやぁ、特に一本目の「誘拐」はホント語りたくなっちゃうくらい巧妙。
普通、常識の上では誘拐犯の高橋の方が異常なのに
その常識を覆す程のお子様今野の掴み所の無いリアクションと、すべてを見透かすような大人びてる冷めた発言に
観客が誘拐犯と一緒にまんまと混乱させられてしまう。
冒頭のお子様今野の「殺っちゃうよ」と銃を突きつけられた顔でもう一本目の勝負はついてたような気がする。
しかも、初代父親が出て行って以来数人父親が代わり、電話のやりとりで今の義父との仲たがいをちらつかせ
「ああ、だからお子様今野がこんなに冷めて大人びてるのかぁ」とここに到るまでの経緯まで想像させるさりげない演出
「大人をなんだと思ってるんだ」の返答が「淋しがりや」というお子様今野の切なさったらない 泣
誘拐犯高橋も、なんだかんだと物わかりのいい不憫な立ち位置が今野によって更に哀れみが増し同情を惹いていく
だからこそ「痛みを感じないのか?」や「・・・皮肉なもんだな」のセリフの説得力ったらありゃしない 笑
そして、まさかの最後の結末。いやぁ、ドラマだわ。
二本目も高橋の緊張が観てる側に伝染したからこそ、最後の縦列駐車の沈黙の場面が一層栄えたんだと思う。
あんな笑いの掻っ攫い、かっこ良過ぎるわ 笑
まさに堂々たるキング!!(噛み噛みだったけど)優勝おめでとーわーい!!!



全体を通して、ほとんどのコンビが二本目のネタ迷走してたなと思った。
ネタに迷いがないように見えたのは、ピースとキングくらいだったんじゃないだろうか?
ダウンタウンは、今年も芸人に気を使いながらも観てる側を楽しませる事に徹していた。
要所要所に含みを感じ取ろうとすればいくらでも感じ取れるけどね。
でも芸人ダウンタウンとしてならば、ネタにツッコミどころがあれば
ツッコミたくなるのはしょうがないんじゃないのかなと思う。
エレキの惨劇を笑いに変換したやさしさも、同士だからこそなんだろうしね。


しかし、キング今野はまったく緊張しなかったんだって。なんたる心臓の強さ。
(大会後「バナナムーンG」で言ってた)
高橋は、その不幸体質と追い詰めてでてくるリアクションの狂気性がおもしろいから
これからTVにでてそこ見つかったら、いじられまくりそうだね。
優勝した後「バナナムーンG」で高橋が「優勝したよー!ホントだよー!!」って何度も言わされるんだけど
その言い方が最高に気持ち悪くておもしろくて、夜中1人で大笑いしていた。


キングオブコメディ、優勝したから今度は単独でもコッチきてくれるかな?
そん時はちゃんと行くからね!


もっかい、おめでとう!!