クドカンもどろろ好きなのかしらん?


手塚治 「どろろ」1〜3巻

夜中に兄宅に押し入って、文庫全巻貸してもらった。
昔アニメとか漫画を読んだ記憶はあるんだけど、今読むとまったく違う印象。
子供の時はもっとどろろが主役として前面に押し出されたイメージがあったんだけどなぁ〜。


子供を犠牲に天下を取ろうとした醍醐も最後にはその百鬼丸にすべて壊されてしまう。
それを醍醐の「死」で片付けずに、醍醐を生かした上で野望を砕いてる。
体のほとんどが無いにも関わらず生きてしまった百鬼丸の苦悩と生きながらに敗北を味わう醍醐の苦渋


手塚先生の漫画を大人になって改めて読むと
生きるとは因果応報なのだと言われているように感じる。


その一方で


誰よりも悲しい業を背負って産まれてきた奇児である百鬼丸
与えられた体を自由に操るまで何日も訓練し、人に戻るために剣術を磨き
孤児になり誰も頼るものが無く、盗人して益々人に疎まれる様になったどろろ
自分に初めて声を掛け、助けて守ってくれた百鬼丸に付いていく
そんな、人間の欲の為に犠牲になってしまったどろろと百鬼丸
互いにその心身の強さと内にある暖かさを感じ取り、自分以外の存在の大切さを知り
子供なりに試行錯誤しながらも「しあわせ」を求めて生きようとする姿は


人生への希望も与えてくれる。


どんな時代でも人間というのは欲を持ち、人を妬み怨み、陥れようとする。
人に悪意を向けるだけでその心は悪魔にでも死霊にでも簡単に乗っ取られてしまう。
でもそれは必ず自分に返ってくるものだから、人を憎んではいけないよといいたいのだと思う。


そんでもって、どろろの最終回は結構尻きれトンボのような感じですが
色々情報仕入れたら、手塚先生は途中で飽きてしまってあんな終わり方になったようで 汗
アニメも話の表現がまずいところがあって打ち切りになってるんだって。
表現がまずいとこあるなら、文庫本も話抜けてるとこありそうだね。泣


それでもアニメが人気あったら急遽他の雑誌で第2部描いてきちんとは完結してるらしいですが
残念ながら単行本化はしてないようです。


で、その2部は結構大幅修正されて展開も強引で
なんと百鬼丸の体を奪った48匹の魔人はその奪った体で人間を作り
その作った人間がどろろだったという話になってるようで
だからどろろを殺せば一気に全部の体が元通りになるんだけど、百鬼丸どろろを殺せない。
そこでまた苦悩がうんぬん、やっぱり怪物を48匹倒さないといけない。


まぁ、ようするにどっちにしてもきちんと完結はできないんだよね、この物語は。


そうそう、どろろの話の中で、死霊が大量のゴミに乗り移る話があるんだけど
あれって「木更津キャッツアイ」の映画でやってたよね?
最後にゴミが怪物になってモー子が捕われてしまうやつ。
そうかぁ〜どろろ読んでわかったわ〜。


それとさ、赤ん坊の百鬼丸もののけ姫にでてきそうじゃない?笑


しかし、やっぱきちんとどろろ読むと実写版勘弁して貰いたいなぁ〜汗
どろろのあのずる賢さも、素直じゃないとこも無鉄砲さも子供特有のプライドからくる
幼稚さがあるからかわいくて許されるんであって
なに?ラブテイストを出すって?う〜ん、それだけで若者に媚びてる様で作品に純粋がないよな。


ってか、漫画の実写多すぎだってば。 汗