少女が「生きろ」と言うんです。

一月に観た映画を今更感想 汗 


落下の王国


テレビの番宣で、映像のあまりのキレイさに是非みたいと思っていた映画。


全編通して、観たい気持ちを裏切ることなくただただうっとりと美しい世界を堪能。


内容も、少女と自殺願望があるスタントマン青年の、消毒の臭いが充満していそうな閉鎖感ある病院で
密会のように繰り広げられる二人の甘美な王国の創造は、青年に対する少女の思いを充分特別にしていて
その真っすぐで純粋な希望ある輝きが、青年の絶望の影を一層色濃くしている様がお見事。


病院内での登場人物や出来事を物語とリンクさせ、青年の現実逃避の虚しさをこれでもかと映し出し
美しい王国の破滅を青年自らと共に迎えようとする時、
ただひたすらに青年を信じる少女は、二人の王国を守るため動きだす。


そして少女は青年に言う「死なないで」


その時、美しい御伽噺は、美しい現実へと逆転する。


そうか、美しいお伽話に太刀打ちできるのって、少女くらいかもしれんな。
もうね、こういうの観ると「少女への特別性」って全国共通なんじゃねーのかなって思う。


自分達とは違う方向を見てる、少女の眼差しの目線を勝手に思い描いてんだろーなー
「その目線の先には澄んだ世界が広がっている」なんて希望を持ちながら。
そう、ホントは希望を持ちたいと強く思っているのは青年の方なんだよな。
一押しが欲しい。迷いの無い、真っ直ぐな一押し。
そんな「世界を揺り動かす可能性」のようなものを少女に託してるよね。
てか、どんだけ少女に期待しすぎなんだ 笑


でも少女はやっちゃうんだよねーこれが。
この「少女にしか起こせない奇跡」ってなんなんだろーね。
おばさんにはわかりません。苦笑


話し変わって、御伽噺の中で小鳥を守る為お腹に入れてる森の霊者が、
兵士に痛めつけれられる度に口から小鳥が飛び出していく姿を見て、なぜか号泣してしまいした。
なんか、守りたいと思うものの前で無力に散っていく姿は見てて辛い。


一番好きなシーンは少女が椅子から落ちてから、意識が戻るまでの人形劇。
細部の細部まで見逃せないとことん魅せ方にこだわってる感じが、油断できなくていいね。



今年初観の映画はなかなかのヒットでした。
さて、「20世紀少年」と「少年メリケンサック」はいつ観に行くかなぁ〜。



ザゼンのアルバム感想まだだった。
そういえば、若林はザゼンが好きだそうです。
おっさん、ライブ招待してあげて 笑