春日、「自分磨き」は間違ってなかったよっ!


ブラックスワン


内容は、貞潔な主人公のニナが「白鳥の湖」の主役に抜擢され、
官能的な魔性の「黒白鳥」の役作りの為に今の自分から抜け出そうと葛藤し自分を追い詰めていく。


特にスピード感がある話の流れでもないのに、すごい時間が過ぎるのが早くて
あっという間にエンディングを迎えた気がした。
話としては大役に苦悩するバレリーナの煩悶と解放というよくある内容だけど
それが妄想と現実が交差してニナが狂気の世界へ引きずり込まれていく様が巧い事視覚に訴えてきて
観客側を引き連れて体感ゲームのようにニナの痛みを一緒に感じる事ができてしまう。


そんな感じだから自傷行為の部分に思わず「ウッ」つって目を背けてしまったこともしばしば。
特に二ナの憧れてるバレリーナのベスが爪やすりを何度も顔に突き刺すとこは
思わず「ウッキャーッ!」って叫びそうになってしまったわ。痛いよぉ〜。 汗


まぁ10歳から自傷行為があったんだから、
主役を貰うずっと前からニナの精神状態は不安定だったってことだよな。
それを今までは何とか誤魔化していられたけど、
今回の黒白鳥を演じるにあたって、その抱えていたものと嫌でも向き合わなきゃいけなくなっちゃったから
今まで保っていたものがコントロールできなくなっちゃったんだろうなぁ〜。


バレエだけじゃなく自分の人生そのものを母親の理想に近づける努力をし
そのプレッシャーと束縛の中で押し殺していく欲求。


でも芸術監督のトーマスはそのニナの内側の情熱を感じ取って主役に抜擢し彼女を開花させようとした
単純に観ると結構セクハラ三昧なトーマスだったけども、人を見る目に優れた信頼できる監督だよね。
あと、ライバルのリリーもすごく良い子じゃん!
私には自分と正反対のニナに興味を持ち自ら接近して殻を破るお手伝いをしてあげてたように観えたわ
その辺も全部内に込め他者を見ないニナと全然違って面倒見の良いお人好しさんだった。
あの二人のレズシーンは、自分の持ってないリリーの感性を丸呑みしたいニナの願望の現れだったのかなと思う。


でも、結局は一番自分を精神的に追い込んだ母親にニナは認めて貰いたかった。
だって、ニナは母親を差し置いてもやっぱりバレエがすべてだったとわかったから
その気持ちに気付いた今、ずっと傍で自分を見ていたお母さんにその姿を観て欲しいよねぇ。
やっぱり母娘って切っても切れ無いもんだよね。


私、バレエ詳しくないからバレエシーンが上手いかどうかはわからなかったけど
いつも怯えた表情だったニナが、本番で黒白鳥に変身していく姿は
一切やらしさを感じさせず、気高く気品に溢れ、とても魅力的で恍惚なバレリーナだった。
まさに完璧。観終わった後溜息ついてしまった。
ホントにバレエのシーンは怒涛で目が離せないくらいすばらしかった。


しかし、この映画R-15だったの終わった後に知った。 汗 
そういえば結構痛い描写やエロいシーンあったもんね。
あと、ニナの自慰行為とか。
そうそう、監督が「1人で触ってごらん、自分を解放するんだ」と言ってニナの自慰行為のシーンになるんだけど
それ観てふと春日の言う「自分磨き」が頭に浮かんでしまった 汗 
春日はラジオで自慰行為のことを「自分磨き」っていうんだよね。
「自分で磨いて自分を解き放つ」正に自慰行為とは春日のいう自分磨きのことじゃん! 汗


って思ったのと同時に、こんな時にもオードリーがでてくるなんて
私はいい年こいてどんだけオードリーに侵食されてんだろ? 汗


そりゃ映画館のスタッフにもなめられるよなって、ちょっと苦笑いしてその場を去りました 泣