ふざけるし、大真面目だし。

R100


ネットで空席だらけとか酷評が目立ってたから
どんなもんかなー?とか思いながらも、
近くの映画館に来たので観てきました。


内容は、日常生活に現れた女王様とプレイするシステムのSMクラブに入った、サラリーマンの片山の末路。


アレ?楽しんで最後まで観ちゃった 笑


なんか、すごく松ちゃんらしい映画だなぁと思った。
前半のシリアスな展開を、後半台無しにしてるあたり
松ちゃん特有の「照れ」がすごく出てる作品だなと感じながら観ていた。


漠然とした不安を抱えて生活することの恐怖と、
はっきりとした痛みが感じられた時の、安堵と生の実感。
片山が女王様に求めたのは、不安を拭いさる確かな痛みだったのかもしれない。


そういえば、芥川龍之介は「ぼんやりとした不安」を感じて自殺したんだっけな。とか思いながら観てた。


作中、「揺れ」を確認する場面が何度か出てくる。
害のない「揺れ」は、日常のちょっとしたハプニングであり興奮剤になるけれど
その日常に支障をきたす「揺れ」は、単なる災害であり恐怖である。
日常をどんどん侵食していく、聞く耳持たない女王様の暴挙の数々は、片山にとって予期せぬ災害になってしまった。


片山は、その災害に飲み込まれない為に、女王様から逃れようと抗う。
災害に抗いながら、次第に芽生える攻撃性。
倒れていく女王様に快楽を覚え、Sを身籠る片山。


その身籠ったSは、災害に立ち向かい乗り越える強さと生命力の証なのだとしたら


この映画は、震災後の日本に贈る、松ちゃんなりの応援メッセージなのかもしれない。


ただ、そのメッセージを
前半シリアスに進めてみたけど、やっぱ真面目に最後まで作っちゃうのは照れちゃうから、後半コント仕立てにしておちゃらけてしまお〜
なんて感じで、この映画が完成したのだとしたら


そりゃ、伝わらんだろうな 笑


いや、ひょっとしたらもっと単純に、これはSM映画だから、敢えて前半丁寧に作り、後半ふざけて台無しにするという
作品全体が自虐のSMプレイだというのもありえる。


ま、どっちにしても伝わりにくいけどね 汗


つーか、SMという題材だけで、すでに観る人選ぶじゃん。 汗
でも、観ていて自分なりに色々見解して楽しめることができる映画じゃないのかなと私は思うし、実際楽しんだ。


残念なところは、片桐はいりの使い方くらいかな。
アレは、片桐はいりの輪郭の良さを殺してるし、他の女優さんがやった方が面白かったと思うけどなー。


大森南朋の妊婦は最高に似合ってました 笑


そして、松ちゃんの性癖はノーマルなのだなと思いました。




よし、次は「SPEC」観なくちゃ!