芸術とは、生涯青春です。


岡本太郎 「今日の芸術」


岡本太郎の考える「芸術とは」を説うエッセイ。
とにかく、言葉がストレートに容赦なくがんがん投げられてくる。
「芸術への自由」を、当時の日本の芸術界を時にひにくり、悪態つきながらもわかり易く、丁寧に説明してる。


そうだな、確かに「芸術」ってどこか一般人が入り込めなさそうな高尚な感じが今でもするよね。
私は、ただ単に小さい頃からどんな絵でも見るのが好きだったし、自分で描くのも好きだったから
あんま抵抗ないんだけど、実際芸術に対しての先入観で居心地の悪さを感じて嵌った型から抜けれないとこもある。


岡本太郎言いたいのは、大事なのは絵が上手い下手じゃなくて、その絵の中に自分の内にこもる感情の吐露が
はっきり自分の意志として表れているかということじゃないのかな?
確かに、興味をそそる絵ってその人自身を垣間見せるような、言いも悪いも心に訴えてきて
自分のエネルギー吸い取られそうな勢いのある絵だもんね。


同じ人が描いてるのに、見る絵によって色や表現がころころ変わるのは描く人の気持ちの変化と同じ事で
それこそ人は日々進化し成長していくんだから、絵にその変化が表れたからといってその変化を恐れる事は無いし
それが岡本太郎のいう「日々かわる新しい芸術」なんだから、堂々と昨日と違う自分を見せてしまえばいい
そこにいろんな感情が入り乱れたとしても、それが芸術の面白みになる。


そうやって岡本太郎は絵を通して「人間自身」の「自由」と「生き方」も説いてるんだろうな。


しかし、この人はすごく勉強家で人一倍研究熱心で向上心旺盛。
よくぞ閉鎖していた日本の芸術をここまで切り開いたよ。


私のエネルギーは、岡本太郎の絵にも負けるね。
いつか観に行かなくては。負け戦しに 汗


芸術好きな人だけじゃなく、何かに行き詰まってる人が読むのにもいいかも。
なんか、少し自由になった気分になれる岡本太郎論、「芸術は爆発だ」は本気だったのだなと今になってわかる。