しれーーーーーっと


向井秀徳 「厚岸のおかず」


このブログでお馴染みの私の王子様(←これを定着させるつもりは無い)向井のおっさん短編小説。


やっぱおっさんの頭ん中はおもしれーわ。笑 
思いが言葉に追いつかない、ライブのトークやインタビューでの言動の支離滅裂さを
簡潔で軽快にテンポよく整理して、尚且つ読む側におっさん特有の不規則なリズムを感じさせてくれる文体。
それでいてきちんと苦笑いできちゃう不条理さと異物を混入させながら平然と前に進んでしまうやり過ごし感


まるで、混入した異物を指摘する事が不粋であるかのように、当たり前に物語が始まり、終わる。


なんか、「しれーっ」という言葉がよく似合う小説だと思う。


説明があるわけでもなく、解決されるわけでもない。
ただシンプルでコミカルな物語の構成にしれーっと歪みを与えて
読む側の違和感を想像して楽しんでしまってるかのような、そんな小説だった。


おっさん、やっぱあなたは悪趣味ですよ 笑


ああでも、これ読んじゃうと嫌でもおっさんの豊富な知識と頭の良さがわかってしまうわ。
やっぱ自ら「this is 向井秀徳」を公言してるだけある。
まったくこのおっさんはよー! 汗


おっさんはどこでなにをやってもおっさんなのだと確信し、うれしくなってにやけてしまう。
でも、それもなんか悔しいので、めいっぱい苦笑いして目を半目にしときます。